• 著者: 伊坂幸太郎
  • 個人的な印象: 2 (1-3)
  • 読んだ時期: 2025年7月

 

ホテル内で繰り広げられる殺し屋たちによる殺し合い。

 

殺し屋の手配業者である乾のもとで働いていた紙野結花は、色々あって乾の元から脱走することを決意し、逃がし屋であるココに依頼する。ココは紙野のボディガードとして高良 (コーラ) と奏田 (ソーダ) という2人の殺し屋を雇い、ウィンストンパレスの一室で逃亡計画を検討していたところ、紙野を連れ戻すために乾が手配した6人組の殺し屋がホテルにやってきて、身動きが取れなくなる。たまたま同じホテルに居合わせていた、超絶不運な殺し屋である天道虫が、紙野の逃亡計画に巻き込まれて、殺し屋同士の殺し合いが始まる。

 

登場する殺し屋は結局ほぼ全員が死ぬ。また、目的からすると敵対しているわけではない殺し屋同士も、なぜか殺し合っており、展開がよくわからないときもあるが、布、吹き矢、爆発物、頸骨折り技、関節外しなどを駆使して殺し合う場面は、さながらマーベル映画を見ているようで (見たことない) 躍動感があり面白い。個々の殺し屋は、良い奴も悪い奴もちゃんとキャラが立っていて、別の作品でも見てみたいと思うような人物が多いので、ほぼ全員死ぬことになるという結末はちょっともったいないと思う一方で、作者の潔さも感じる。

 

伊坂氏の作品は、ちょっとした会話の中で少しずつ伏線をはっていく感じがあり、読んでいて、あ、このセリフは多分伏線だな、と思うことがあったが、伏線回収のときには結局すべて忘れた。

 

たまたま読み終わったのが7月7日でちょっとびっくりした。