知識創造企業

  • 著者: 野中郁次郎
  • 印象: 3 (1-3)
  • 読んだ時期: 2020年5月

 

イノベーションを含む新しい知識を創造する組織のあり方を論じた本。

入山章栄氏の「世界標準の経営理論」において知識創造の唯一の理論として紹介されているSECIモデルについて、1980-90年台の日本企業を例示しながら論じたもの。

野中氏の理論はこんな感じである。

知識はあくまでも個人から創造されるが、それを組織として発展させ、知識創造を継続させるには仕組みが必要である。仕組みには2つの視点があり、「暗黙知」「形式知」からなる認識論的次元と、「個人」「チーム」「部門」などの組織規模からなる存在論的次元がある。

暗黙知-形式知の知識変換を、様々な組織規模で絶え間なく繰り返していくことによって、企業は知識創造を行うことができる。例えば個人の暗黙知をチームで共有する共同化(暗黙知→暗黙知)のフェーズ、チームの暗黙知を明示されたコンセプトにする表出化 (暗黙知→形式知) など、4つのフレームワークが存在しており、このフレームワークを循環させることで知識が創造される。

上記の理論を、主に日本企業におけるいくつかの新製品開発プロジェクトに当てはめながら実証 (?) していく。実例に基づいて説明されており大変わかり易く上記の知識創造の仕組みも自分の経験や感覚と照らし合わせて納得感が高いと感じた。

ただ、こういった経営関係の話だとどうしてもそうなるのかもしれないが、「それって最初にモデルありきで考えていて、他のモデルでも説明できる可能性は否定できないですよね」とか、「また本モデルに当てはまるケースでも失敗した事例があるかもしれないですよね」というツッコミに対しても、どのように反論しうるのかというのがよく分からない。

最終的には、自分のケースに当てはめてうまく行くか確認するしかないのだと思った。