サピエンス全史

  • 著者: ユヴァル・ノア・ハラリ
  • 印象: 3 (1-3)
  • 読んだ時期: 2020年5月

 

よく知られたベストセラー。今更感あるタイミングで遅ればせながら読んだ。スマホにKindleアプリを入れた所、無料おためし版が読めて、第1章の触りのところだけ読んだら大変面白かったので、Amazonの策略にはまってKindleで購入した。

 

人類はなぜ、エネルギーを消費し、体のバランスを崩し、出産を危険なものにするリスクを冒してまで脳を拡大する方向に進化の舵を切ったのか (あるいは、脳を拡大する方向にたまたま進化の舵を切った人類が各種リスクを乗り越えて生き残るに至ったのか) ということに思いを馳せると大変ドラマチックだ。

 

どこかの時間軸に、動物に殺される恐怖に晒されながら生きる人類から、認知能力によって動物の王に君臨する人類に変貌する分水嶺があったと思われるが、その分水嶺ギリギリ (特に登り側) をうまいこと生きた当時の人類にグッジョブと声を掛けずにはいられない。

 

一方で、その分水嶺は少なくとも何万年〜何十万年くらいの時間間隔であり、分水嶺の上り下りを意識できた人類は多分いないだろうという壮大な悠久の感じに思いを馳せても面白い。

 

言語(噂話)、神話、宗教、貨幣によって統一の規模を拡大していく、すなわちSloman, Fernbach風にいうところの「Division of cognitive work」が発展していくダイナミズムも興味深かった。