トリダシ

  • 著者: 本城雅人
  • 印象: 2 (1-3)
  • 読んだ時期: 2020年5月

 

本城氏の無料ダウンロード3部作の3冊目。5月に読んだが感想を書くのを忘れていたので思い出しながら書く。

 

特ダネを獲得するために手段を選ばない貪欲さと、球団の監督人事を左右するほどの謎の影響力を兼ね備えた、某スポーツ新聞の敏腕野球記者、鳥飼義伸の日常を描いた7つの短編集。

 

鳥飼の口癖は「とりあえずニュース出せ」であり、それが由来で「トリダシ」という呼び名で恐れられていることがタイトルの由来。「とりあえずニュース出せ」なら、「トリダセ」が正しいのではというツッコミは大人として控えるべきである。

 

正直、4ヶ月前に読んだので、内容をだいぶ忘れてしまったのだが (感想書くのやめてまえ)、自社だけのスクープをもぎ取るために、他社の記者、選手、監督、コーチと様々な権謀術数を駆使してやり取りする様がダイナミックに描かれている。他の作品と同様、基本的に男臭い。「スポーツ新聞のネタで大事なのは金、出世、女」という台詞からも、(いい意味で) 昭和漂う内容となっている。

 

読みながら、裏3面くらいに突然風俗体験記が出てくる昔のスポーツ新聞 (今もそうかもしれない)、および、風俗ライターをやっていた知り合いの知り合いのことをふと思い出した。

 

ちなみに日経新聞には今でも、燃え盛る炎を背景に唇厚めの女性が「まさか・・・」とつぶやいている感じの、勃起促進漢方薬的なサプリメントの広告が今でもたまに掲載されている。