金閣寺

  • 著者: 三島由紀夫
  • 印象: 1 (1-3)
  • 読んだ時期: 2021年2月

 

三島由紀夫の作品を読もうと思って図書館で選んで読んだ。実際に起きた金閣寺放火事件の経緯について、犯人である金閣寺の修行僧であった青年の告白形式で綴ったもの。

 

青年は生まれつき吃りであり、それが世界と自分とを隔てる壁になっており、その壁の存在によって色々うまいこと生きることができない中、縁あって金閣寺の修行僧になり、ふとした瞬間に金閣寺の美に感銘を受け、いろんな周囲の人間と関わりを持つ中で、その感銘が破壊衝動に変わり、事件を起こしたといったような経緯が描かれている。

 

いわゆる中二病とも取れるような強い自己意識、自虐観念みたいなものが根底にある暗い文体と展開で、同世代のときに読んだら共感するところもあったかもしれないが、で、結局なんで金閣寺燃やしたん? というところへの共感を最終的にすることができず、老いを感じた。

 

同じタイミングで「潮騒」も借りたが、最初の20ページ位を読んで間違って返却してしまった。