神のこどもたちはみな踊る

  • 著者: 村上春樹
  • 印象: 2 (1-3)
  • 読んだ時期: 2021年4月

 

阪神・淡路大震災を間接的に経験した人々が、自分の中の内なる廃墟的なものに向き合ったり発見したりする短編小説集。

 

乱暴に言ってしまえば生きるのに不器用な人たちの話のように思える。「蜜蜂パイ」に出てくる淳平とかを見てると、つべこべ考えずにさっさと結婚すりゃええやろ というツッコミが心のどこかで響かなくもない。

 

短編小説なので、色々な物事に対する説明が少なく、注意深く読まないと、人物や物事が象徴しているものを見逃すと思う。僕は注意深く読まないので、よくわからないまま終わってしまった小説もある。「UFOが釧路に降りる」とか。

 

内なる廃墟を発見した結果、人生を左右するであろう決意や状況の変化が主人公に起こるのだが、それによって何かの問題が解決したり、結論が出るわけではないし、またそれによって主人公が幸せになるのかならないのかというのも、読者に委ねられている。