変身

  • 著者: フランツ・カフカ
  • 印象: 1 (1-3)
  • 読んだ時期: 2022年3月

 

図書館にあった、カフカの小説の中で、一番薄い本だったので借りて読んだ。

 

ある朝、目を覚ますと巨大な毒虫に変わっていた青年、グレーゴルに関する物語。この、出落ちと行っても過言ではない設定において、約100ページの物語が展開される。

 

グレーゴルが変身した虫がどんなものかというのを、小説の描写から読み取ると、基本的には、多足虫であり、具体的には、おそらく、風の谷のナウシカにおける王蟲に近いのではないかと考える。

 

グレーゴルの変身した姿を発見した家族は、当然驚くのだが、それがグレーゴルが変身したものであるということを疑うことはなく、また、どうにかして元に戻そうとするわけでもない。家族は、ただひたすら、自分たちの生活がグレーゴルによって脅かされないように、できるだけ距離を取って生活しようとする。グレーゴルも、できるだけ家族に迷惑をかけないようにおとなしく過ごすのだが、肝心な場面でやたらと前に出たがる節 (多足虫だけに) があり、その行動が結果的に自分自身を追い詰めることにもなる。

 

最終的に、グレーゴルは悲しい結末を迎えるのだが、小説としては謎にハッピーエンドっぽい感じで終わる。

 

本作品は、現代実存主義文学の先駆をなす傑作であるらしいのだが、アタシには難しいことはよく分からず (by 林家こん平)、「変身」は何を象徴するものなのか、といった考察も捗ることはなく、ただ、読んだタイミングが、偶然、コロナ陽性判定を受けてホテル療養するタイミングと重複したことから、薄暗い部屋でひっそりと生活をするグレーゴルの心境に少しばかり共感することができた。