コーチングの神様が教える「できる人」の法則

  • 著者: マーシャル・ゴールドスミス
  • 心に響いた度: 3 (1-3)
  • 読んだ時期: 2022年7月

 

数多くの経営者を指導してきたコーチングの専門家が書いた、リーダーの能力を伸ばす方法を説明した本。

 

日本語のタイトルを読むと、中身が薄そうなハウツー本のように見えるが、これをやれば上手く行きます的なメソッドを書いているものではなく、著者の実体験に基づいたセルフコーチングの手法がかなり詳しく説明されている。英語名は、「What you got here won’t get you there。何で日本語のタイトルは、こんなに露骨で中身うすそうなハウツー本風に寄せていくのだろうか。

 

社会的に成功をおさめている経営者が、更に成功をおさめるためにはどうすればよいか、というのが趣旨の本であり、「よくなる」ための本ではなく、「もっとよくなる」ための本である。なんかハードルが高そうに思えるが、そんなことはなくて、いわゆるリーダーを目指す全ての人にとって有用な本になっている。

 

著者の方法論は、超かんたんにいうと以下だ。

 

1) フィードバックを求める

2) 謝罪する

3) 公表し、宣言する

4) ありがとうを言う

5) フォローアップする

6) フィードフォワードをする

 

詳しくは説明しないが、書いてある内容は超かんたんで、小学生でも理解し、やろうと思えばすぐに実践できる。わざわざこんな専門家が、このようなことを説明していること自体が、読み終えてから改めて思い返すと大変不思議にも感じる。でも人間が変わるってのはそれだけ大変なことなのだろう。

 

でも一番大事なのは、「コーチャブルな人間にだけフォーカスする」というもので、これは一兆ドルコーチにも書いてあったことだ。結局、変わりたいと思っている人間しか変わることはできない。それ言ってもうたら元も子もないようにも思うけど、真実なのだろう。人間って怖いな。

 

とかいう自分も、本を読み終えた時、最初に思い浮かんだのは、どうやって他者を変えるか、という発想であり、それよりも自分がどう変わるかを考えるのが先じゃね? と思い当たったのはそれから大分経った後だった。人間って怖いな。