• 著者: 佐藤究
  • 読んだ印象: 2 (1-3)
  • 読んだ時期: 2023年12月

 

殺人鬼の一家に生まれ育った少女が、家族の真実を知っていく話。

 

母親が撲殺、兄が吸血、父が血を抜いて人間を殺す、とんでもない猟奇殺人一家で暮らす女子高生の市野亜李亜は、自らもナイフで人を殺す殺人鬼である。平和に暮らしていた一家だが、ある日突然兄が何者かによって惨殺される。その後、母も疾走する。殺したのは父ではないかと疑う亜李亜は、いろいろあった末に家を飛び出し、自分の家族の真実を探しにいく。

 

物語の世界には、人は何故殺人を犯すのか、ということを専門に調べる殺人アカデミーなるものが存在する。殺人アカデミーは国が作った組織だが、いわば法外の存在で、研究の一環という位置づけで、殺人現場の実地見学をしたり、監視カメラの生映像を資料として閲覧し保有する権利を持つ。亜李亜はこの殺人アカデミーの研究対象にされていて、それがなぜなのか、ということを、亜李亜は家出旅の中で知っていくことになる。というか、家出した後に家に帰った後に知ることになる。

 

物語が進むと、亜李亜が実はIQ200の超天才だった ということが明らかになるのだが、この設定は特に物語の中で有効に活かされておらず、別にいらん設定だったのでは という気がする。