• 著者: 西條奈加
  • 読んだ感じ: 2 (1-3)
  • 読んだ時期: 2025年5月

 

多分江戸時代くらいの、貧乏な人間が住む心町(通称)で暮らす人間を描いた話。

 

心町には訳ありの人間が肩を寄せあって暮らしていて、お互いに詮索しあわないことが暗黙のルールになっている。基本的には短編集だが、各話の登場人物が別の話にも出てきて、お互いに関係しあっていく感じで話が進む。すべての話に登場する茂十という、交番の巡査的な感じの人間が最終話の主役になっており、彼の過去が明らかになったところで話が終わる。

 

基本的にハートフルな話だが、一部の話は救いのないダークな感じにもなっている。劇的に感動することはないが、読んだ後にしんみりした気持ちになる。