読書感想文: マネジメント【エッセンシャル版】
マネジメント【エッセンシャル版】
- 著者: P.F.ドラッカー
- 印象: 3+ (1-3)
- 読んだ時期: 2020年5月
いわずとしれたドラッカー氏の名著。今更読んだ。
「マネジメントは成果に対する責任に由来する客観的な機能である」という感じの抽象表現が断定的に出てくる。エビデンスとして事例紹介がされることもあるが付け足し程度に過ぎない。それなのに説得力があるのは筋が通っているからだと思う。そういう意味でこれは経営の本というよりは哲学の本だと思った。
ちゃんと理解しようと思ったらあと2回位は読まないといけないと思った。大変感銘を受けたが今の所消化できていないので、とりあえず読んでアンダーラインを引いた箇所を羅列する。
マネジメントの役割
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マネジメントとは、成果に対する責任に由来する客観的な機能である。
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マネジメントが万能薬ではなく、挑戦であり仕事であること、いかに洗練されようとも魔法の杖ではない。
企業の成果
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マネジャーは起業家でなければならない。
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問題は、「その組織は何か」ではない。「その組織は何をなすべきか。機能は何か」である。
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マネジメントは、常に現在と未来、短期と長期を見ていかなければならない。
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社会が関心を持つのは結果である。
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(利益は企業活動にとって、) 目的ではなく条件である。
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企業は、高い利益をあげて、初めて社会貢献を果たすことができる。
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企業の目的の定義は一つしかない。それは、顧客を創造することである。
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(企業が持つ2つの機能は、) マーケティングとイノベーションである。
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企業そのものは、より大きくなる必要はないが、常によりよくならなければならない。
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「われわれの事業はなにか」との問いは、企業を外部すなわち顧客と市場の観点から見て、初めて答えることができる。
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人口構造だけが未来に関する唯一の予測可能な事象である。
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生産性とは難しいコンセプトである。だが、それは中心となるコンセプトである。
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(利益計画は) 利益の極大化についての計画ではなく、利益の必要額についての計画でなければならない。
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(目標の優先順位は) まちがった優先順位でも、ないよりはましである。
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(戦略計画は) 手法ではなく、責任である。
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経済活動の本質とは、リスクを冒すことである。
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マネジメントは、その責務からして必ず意思決定を行う。違いは、責任を持って行うか、無責任に行うかだけである。
公的機関の成果
- 意味のなくなった成功は、失敗より害が大きい。
仕事と人間
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働く者が満足しても、仕事が生産的に行われなければ失敗である。逆に仕事が生産的に行われても、人が生き生きと働けなければ失敗である。
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肉体労働についての体系的な方法論を適用できるかどうかが明らかでない唯一の分野は、発明や研究など新知識を生み出すための活動である。しかし、適用できると信じるにたる理由はある。
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仕事のうえの人間関係は、尊敬に基礎を置かなければならない。
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仕事を生産的なものにするうえで独創性に期待することは夢想である。必要なものは、実際に働く者の知識と技術である。
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職場コミュニティの問題は自治でなければならない。
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(働くものに主体的に成果をあげさせるという課題を直視しない原因は、) 権力と権限の混同である。
社会的責任
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組織が社会に与える影響には、いかなる疑いの余地もなく、その組織のマネジメントに責任がある。
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(社会的影響を処理するうえで) 理想とすべきアプローチは、影響の除去をそのまま収益事業にすることである。
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マネジメントたるものは、社会の問題に対して責任をとることが、自らの本来の機能を損ない傷つけるときには抵抗しなければならない。要求が組織の能力以上のものであるときにも抵抗しなければならない。
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知りながら害をなすことはしないとの約束はしなければならない。
マネジャー
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マネジャーを見分ける基準は命令する権限ではない。貢献する責任である。権限ではなく、責任がマネジャーを見分ける基準である。
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専門家が効果的であるためには、マネジャーの助けを必要とする。
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機能と地位は切り離さなければならない。
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(マネジャーよりも) 多くの報酬を受けるスターが、一人や二人いることを例外としてはならない。
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(マネジャーは、あらゆる強みを発揮させるとともに、) あらゆる弱みを消さなければならない。
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あらゆるマネジャーに共通の仕事は五つである。①目標を設定する。②組織する。③動機づけとコミュニケーションを図る。④評価測定する。⑤人材を開発する。
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(マネジャーに必要な根本的な資質は) 真摯さである。
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マネジャーは、単なる調整者ではなく、自らも仕事をするプレイング・マネジャーでなければならない。
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雇用主たる組織には、人の性格をとやかくいう資格はない。(被用者に) 要求されるのは成果だけである。
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技能の重要性は強調しなければならないが、それは組織全体のニーズとの関連においてでなければならない。
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技能自体が目的となってしまう危険がますます大きくなっている。
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報酬について公式を求めても無駄である。
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(報酬システムでできることは、) 間違った行動を褒めたり、間違った成果を強調したり、共通の利益に反する間違った方向へ導くことのないよう監視することぐらいである。
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目標管理の最大の利点は、自らの仕事ぶりをマネジメントできるようになることである。
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自己管理による目標管理こそ、マネジメントの哲学たるべきものである。
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組織の目的は、凡人をして非凡なことを行わせることである。天才に頼ることはできない。
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成果とは長期のものである。
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人は、優れているほど多くのまちがいをおかす。優れているほど新しいことを試みる。
マネジメントの技能
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意思決定における第一の原則は、意見の対立を見ないときには決定を行わないことである。
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我々は期待しているものだけを知覚する。期待しないものは受け付けられることさえない。
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どのように上手に話しても、一方的に話したのでは話は通じない。
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目標管理の最大の目的は、上司と部下の知覚の仕方の違いを明らかにすることにある。同じ事実を違ったように見ていることを互いに知ること自体が、コミュニケーションである。
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管理に関する根本の問題は、いかに管理するかではなく何を測定するかにある。
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管理の対象として測定するものは、重要なものでなければならない。
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一見根拠があるかのごとき細かな数字こそ不正確であることを知らなければならない。
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経済的な活動とは、現在の資源を不確かな未来に投入することである。事実ではなく期待に投入することである。企業にとって、リスクは本源的なものであり、リスクを冒すことこそ基本的な機能である。
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経営科学の目的は、あくまでも診断を助けることにある。
マネジメントの組織
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理想的な組織とは、会議なしに動く組織である。
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もともと完全無欠の組織はない。ある程度の摩擦、不調和、混乱は覚悟しておかなければならない。
トップマネジメント
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トップマネジメントには、事業の目的を考える役割がある。
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トップマネジメントとは、一人ではなくチームによる仕事である。
マネジメントの戦略
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いかなる組織といえども、柔軟性を保ち、新しいことを試み続けるべきである。
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市場が何かを決めるのは、生産者ではなく顧客である。
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成長には戦略が必要である。準備が必要である。なりたいと思うことに焦点を合わせた行動が必要である。だがトップに変革の意思がなければ、いずれも無駄になる。
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大きくなること自体に価値はない。よい企業になることが正しい目標である。成長そのものは虚栄でしかない。
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売上高10億ドルは、正しい目標とはいえない。企業にとって成長の目標とは、量的な目標ではなく経済的な目標でなければならない。
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成長の最高点ではなく最適点こそ成長の上限としなければならない。
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イノベーションとは、科学や技術そのものでなく価値である。
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イノベーションを行うにあたって重要なことは、そのような型にはまらないイノベーションが存在し、しかも、それがきわめて重要であることを認識しておくことである。
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イノベーションの目標は高く設定しなければならない。一つの成功が九つの失敗の埋め合わせをしなければならない。
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イノベーションについて発すべきもっとも重要な問いは、「これは正しい機会か」である。
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優れたアイデアを手にするには、多くのばかげたアイデアが必要であり、両者を簡単に識別する手立てがないことを知らなければならない。
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変化への抵抗の底にあるものは無知である。未知への不安である。変化を機会として捉えたとき、初めて不安は消える。