聖女の救済

  • 著者: 東野圭吾
  • 印象: 2 (1-3)
  • 読んだ時期: 2020年10月

 

人から見ると中睦まじい幸せな夫婦の夫が毒殺される事件についての推理小説。読んでみたらガリレオシリーズだった。

 

刑事の草薙は、容疑者の一人である女性に心を惹かれてしまい、それを感じ取った部下の内海薫(女性)は、草薙には客観的な判断ができないと考え、草薙の大学時代の友人で大学教授である湯川に、殺害のトリック解明を依頼する。

 

草薙と、湯川-内海のそれぞれがそれぞれの仮説を立て、検証を行っているうちに、意外な真相にたどり着いていく、みたいな感じの展開になっている。

 

それなりに推理小説を読んできたので、ちょい役っぽく見える人物とか、なんとなく意味有りげなシーンとかモチーフについて、これは何かの伏線なんだろうな、と思いながら読むようになってきたのだが、相変わらず自力で真相にたどり着くことはない (たどり着こうという努力もしない)。

 

殺された夫は、社会的地位も高くものすごくいい男であるらしいのだが、ある1つの明確なポリシーを持っており、それは女性にとってはかなり耐え難いものなのだが、それでもやっぱり結婚したいと思うのだろうか、という点に若干違和感を感じた。また、そのポリシーを合理的に遂行するなら、結婚を決める前に色々とできることがあるはずで、頭も良さそうな当該夫はなぜそれをしなかったのか、という点にも若干の違和感を感じた。

 

作品中で、内海がiPodで福山雅治を聴いているシーンがあるのだが、あれは映画化のオマージュというかパロディ的なものなんだろうか。