読書感想文: 流星の絆
流星の絆
- 著者: 東野圭吾
- 印象: 3 (1-3)
- 読んだ時期: 2020年10月
流星を見るために、夜中にこっそり出かけている間に、両親が何者かに殺される事件に巻き込まれた3兄妹が、大人になってからその真犯人を探す話。
3兄妹は事件後、児童養護施設に入れられて育つ。その後、紆余曲折を得て、生きるために3人で詐欺グループとして活動する。詐欺活動をしている最中に、偶然、真犯人と思われる人物を知り、真相を確かめるために色々と頑張る。
3兄妹の構成は、兄、弟、妹なのだが、この妹が人目を引く美人であり、金持ちだけどモテない男に接近して金をせしめるというのが基本的な手口である。ただし妹の体を売ることは絶対にしないということが2人の兄の暗黙の了解になっているので、エッチな展開にはならない。
デザインが得意で司令塔の長男、変装が得意な次男、色仕掛けの妹、というチームワークがきちんとできており、伊坂光太郎の「陽気なギャングが地球を回す」に出てくるような強盗チームのような強烈な個性はないが、まとまっていてやり取りを読んでるのが面白い。
妹は会う男ごとに偽名を使い、上手に演じ分けているのだが、ある時、騙す相手の男に恋心を持ってしまい、好きな男に対して自分を偽らなければならないことに対して傷ついていく。この辺の妹の振る舞いとかが素敵な感じで描かれており、個人的に好きだった。なので、過去に妹に騙され (た後に上手に縁を切られ) た男が街で偶然妹を見かけ、狂ったように街を探し始めたときには、兄のように焦った。
東野圭吾は女心の描写が上手だと思う。というか、女心を男心に響くように描写するのが上手だと思った。
流星の絆が最終的に何なのかは、最後になって分かる。