読書感想文: SOSの猿
SOSの猿
- 著者: 伊坂幸太郎
- 印象: 1 (1-3)
- 読んだ時期: 2021年8月
西遊記、エクソシスト、ユングとフロイト、というテーマをまぜこぜにした語。
家電量販店で働く傍ら悪魔祓いをやっている男が、親戚のひきこもりの青年 (眞人) のところになぜかカウンセリングにいっところ、意識を失った青年が孫悟空の身外身として未来の話を語りだして、みたいな展開なのだが、多分説明してもわからないので割愛する。基本的には、物語のテーマが何なのかよく分からず、かといって伊坂幸太郎的な展開もなく、魅力的な登場人物もおらず、あまり楽しめなかった。
印象としては、村上春樹がよく扱う夢のモチーフをものすごく説明的に語るような感じの小説であり、村上春樹なら、舞台回し的な登場人物とそこから語られる説明的な会話を全てとっぱらって、悪魔祓いの二郎、眞人、眞人 (というか眞人の無意識である孫悟空の身外身) が語る物語の主人公である五十嵐、および、悪い奴とその被害者、だけに登場人物を絞り (ただしエッチな人妻のガールフレンドは登場するかもしれない)、物語だけを淡々と説明するような展開にしていくのではと思う。