読書感想文: ジャイロスコープ
ジャイロスコープ
- 著者: 伊坂幸太郎
- 印象: 1 (1-3)
- 読んだ時期: 2021年8月
軸を同じにしながら各々が驚きと意外性に満ちた個性豊かな短編小説集(冒頭から引用)。
同じであるという軸が何なのかよく分からなかったが、いわゆるエンターテイメント作家として読者が求めているものとはちょっと違った趣向の短編小説集であるように思う。僕はエンターテインメントを求める典型的な伊坂幸太郎小説読者なので、あんまり楽しめなかったというのが正直なところだ。
個人的には、顔と体がアンバランスの相談屋の話「浜田青年ホントスカ」は、従来の伊坂風テイストを帯びながら展開が意外で面白かった。
「彗星さんたち」も面白かったが、何かの本で一回読んだことがあった。これに出てくるパウエル国務長官の書籍は実在するらしいことを先程知った (https://ddnavi.com/news/393045/a/)。書名は「リーダーを目指す人の心得」で、リーダーのための書籍ではなく目指す人のための本である、という点がいいなと思うが、原書のタイトルは「It worked for me: In Life and Leadership」で、リーダーを目指す人のために書いたなんてどこにも書いてねえじゃねえかとも思われ、日本編集者のマーケティング技術に踊らされている感もなくはないが、先程Amazonから注文してしまった。