七つの会議

  • 著者: 池井戸潤
  • 印象: 1 (1-3)
  • 読んだ時期: 2021年10月

 

大手メーカー傘下の中堅会社で起きた不祥事を巡る小説。題目から想像されるように、7つの章から構成されていて、章ごとに異なる人物の視点で不祥事の真相が暴かれていく。

 

本屋に行ったときに池井戸氏の最新の小説「民王」の続編に関する小冊子みたいなのがあり、それを読んでいたら民王を読んでみたくなり、図書館に行ったところ、置いていなくて、もしくは借りられていて、無かったので、代わりに同著者の別の小説を読んでみようと思って、かといって下町ロケットとか半沢直樹は何となく違和感があり、これを借りた。

 

僕は基本的に大きめの会社とか組織を舞台にした小説が好きではなくて、というのは記載内容の半分以上が組織内での人間同士の争いで占められており、会社内で喧嘩してんじゃねえよという気持ちになってだんだん嫌になってくるからなのだが、本小説もそういう内容が多くて、嫌になった。そしてそんな風に社内で喧嘩しているサラリーマンの家庭がたいてい殺伐としているのも、読んでいて嫌になった (じゃあ最初から読むなよ)。

 

若干ネタバレになるが、本小説内で唯一の良心ともいえる居眠り八角氏も、そんなに会社で孤軍奮闘するよりはさっさと辞めて自分で不祥事のない会社を立ち上げたらええんちゃう? と思ってしまい、素直にリスペクトや共感ができない。

 

7章から構成されているが、社内不倫後にフラレて失意の後に退社を決意する浜村優衣の章と、その浜村氏の不倫相手である新田雄介の章は、別に無くてもよかったのではという気がする。

 

あと、全体的に文章の最後に余計な一言が多いように思う。例えば以下のような下りがあるのだが、「それから」以降の文章はない方がいいと思う。なんとなく座りが悪いから付け足してみました的な雰囲気を感じてしまう。酒も呷らなくていいし、タバコも吸わなくていい。

 

- 八角はおもしろくもなさそうな顔で二人を眺め、「そんな話、あったかなあ」と惚ける。それから、胸に湧いた何かの感情を振り払いでもするように手元の酒を呷ると、タバコに火を点けて目を細めた。 -

 

上記のような感じなので、半沢直樹も好きではないと言うか食わず嫌いでドラマも小説も手付かずの状態であり、かろうじてジャングルポケット斉藤が有吉の壁でやっていた半沢直樹のものまねは原作知らないけど好きだ。