読書感想文: 科学する麻雀
科学する麻雀
- 著者: とつげき東北
- 印象: 2 (1-3)
- 読んだ時期: 2022年1月
統計学的な観点から麻雀のセオリーを語った書籍。
「ツキ」とか「流れ」とか言う言葉でごまかされがちな麻雀のセオリーを、オンライン対戦麻雀「東風荘」における自身のプレイデータを統計学的に解析することで検証し、セオリーをまとめ直したもの。
書籍が出たのが平成16年で、ちょうどインターネットが勃興し始めた頃だから、この書籍と同じくらいのタイミングでこんな感じの統計学的な本が出てきているのではと思う。著者いわく、本書がその皮切りとなるものだとのこと。
あくまでも統計学的に整理したものであって、この指針に従っても必ず勝てるわけではないと思う (打ち筋がバレると裏読みされるため。この書籍に対するあるプロ麻雀師のコメントとして、「有益だが競技麻雀で活用できるかどうかは分からない」というのがWikipediaに掲載されていた) 。しかし、一般論としての方針が統計学的な根拠に基づいて明確に示されている点は大変優れている。実際によくあるシーン (悪形でテンパイしたけど、リーチすべきか、手代わりを待つべきかどうか? とか) における打ち方の指針が示されており、実践的な本でもある。
要点だけまとめてしまうと、説得力もないし、本としての文章量も足らなくなってしまうから仕方ないと思うが、解説の部分が若干冗長な感じもする。それを差し引いても個人的には大変参考になった。
自分用に参考になった点を以下に書いておく。
・基本的にテンパイしたら即リーチすべき。悪形/低めでも、良形/高めになるまで手代わりを待つよりは期待値が高い。
・優れた (和了しやすい) 待ちは、リャンメン待ち、字牌含むシャンポン待ち、字牌単騎待ち。
・自分がイーシャンテン以下で他家がリーチしたら、基本的には下りたほうがよい。
・他家のダマテンはあんまり気にしないでもいい (振込む期待値より自分が和了る期待値のほうが大きい)。
・下りる際、スジとか裏スジとかいった安全牌候補は言うほど役に立たない。