40 (フォーティ) 翼ふたたび

  • 著者: 石田衣良
  • 心に響いた度: 2 (1-3)
  • 読んだ時期: 2022年4月

 

2年くらい前に務めていた広告代理店を辞め、知人の会社に転職したが、反りが合わずに5ヶ月で辞め、元の会社にも戻れず、投げやりにフリーランスプロデューサー (平たく言うと何でも屋) になったが泣かず飛ばずの40歳、吉松喜一が色々頑張る物語。

 

「40歳からはじめよう」がプロデュースコンセプトである喜一のもとには、悩める40歳が集まってくる。登場する40歳には皆、40歳のオッサンの琴線に触れる要素 (金、セックス、不倫、出世、引きこもり) を持っている。

 

特に顕著なのが最初のIT社長の話で、酒におぼれるIT社長を元彼女のAV女優 (ロリータ、痴女、ごっくん専門) が立ち直らせるみたいな展開なのだが、AV女優の描写、および途中に差し込まれる無駄に卑猥な展開など、「どうせお前らこんなん好きなんやろ」と言った感じで読まされているように思えてきて、ちょっと萎えた。ストーリーにご都合主義的なものが多く、「そこ、そんなに簡単にいくか?」と覚める場面が何度もあった。

 

で、最初の30ページ位を読んで、あーこれは多分苦手な話だと思い、心に響いた度は1かなと思っていたのだが、自分も見事に40歳のオッサンの琴線に触れてしまい、それなりに楽しんでいる自分いて、結果として上記数値は2になった。

 

ひきこもりの40歳とドア越しに会話する展開は、臨場感があって、しびれた。