陰日向に咲く

  • 著者: 劇団ひとり
  • 心に響いた度: 1 (1-3)
  • 読んだ時期: 2023年1月

 

ホームレスに憧れる男、売れないアイドルの追っかけなど、生きづらさを抱えながら生活する、ちょっと変わった人々を描いた小説。

 

5章だてで、各章同士は人間関係で緩くつながっている。ある章の一場面が、別の章で別の人物の視点で描かれていたりする。

 

前半は面白いのだが、後半になると展開が無理やりっぽくなる印象がある。前半に張った人物相関の伏線のしわ寄せが、後半にいってしまっているように思った。自分が展開をちゃんと追えていないせいかもしれない。

 

女性視点の章がいくつかあるのだが、女性像がステレオタイプっぽい感じがあるというか、男性視点に立って女性を描いている感じがあり、感情移入があんまりできなかった。また、女性が変態的な芸人に突然惚れてしまうくだりがあるが、さすがにそれはないやろ、と思ってしまった。