読書感想: 妻の超然
妻の超然
- 著者: 絲山秋子
- 心に響いた度: 2 (1-3)
- 読んだ時期: 2023年1月
夫の浮気に気づかないふりをしている妻、意識高い系恋人と酒付き合いをする下戸の男、死んだ兄の幻影を抱えながら喉の出術を控える作家が、淡々と生活する3部作。
超然とは精神的に孤独であることだと思う。その孤独を愛しつつも、その超然が自分の本当の気持ちにフタをすることで成立していることに気づいたり気づかなかったりしていく。妻の場合だと、浮気をされながらも自分が夫を愛していることに気づいたりする。下戸の場合は、自分の正義感をおしつけてくる恋人についていけなくなったりする。
で、作家の場合、一人称がなぜか「お前」になっているのだが、お前をやめて、普通に一人称で書いても問題がなさそうに思ったのだが、なぜわざわざそうしたのか、わからなかった。