読書感想: 廃墟に乞う
- 著者: 佐々木譲
- 読んだ印象: 2 (1-3)
- 読んだ時期: 2023年8月
ある事件がきっかけで精神を病んで休職中の刑事、仙道孝司が、いろんな知り合いに乞われて非公式に捜査活動を行い、真相を明らかにしていく短編集。
仙道はあくまでも休職中の身なので、取り調べとか逮捕とかができるわけではなく、私人としていろんな人に話を聞いていく中で、真相に迫っていく。
仙道が関われるのは公式な捜査活動の手前までなので、自分が掴んだ情報を管轄の警察関係者に知らせて、物語としてはそこでおしまいになる。そのため、事件の顛末は実際には分からないが、多分仙道が考えたとおりの展開を迎えるのだろうと思われる。
休職中であることを聞きつけて、昔の事件で関わった人が仙道に連絡を取ってくるのだが、警察関係者であればともかく、一般の人々はどうやって一刑事が休職中であることを聞きつけてくるのか、それがよくわからない。仙道がツイッターとかで、仙道@休職中 #PTSDだけど結構元気 #非公式に捜査活動頼まれてる #暇を持て余してるので依頼募集中 とかいうアカウントを公開しているのかもしれない。
最後の話で、ある女性が自分の妹の無実を晴らしてほしい といって依頼をしてくるのだが、実はその女性は自分の妹の仕業だと思ってるから逮捕してほしい という裏の要求があり、それを隠して仙道に捜査を頼むのだが、そもそもどうしてそんな嘘をついたのか、それが全くわからなかった。