読書感想: 沈黙のパレード
- 著者: 東野圭吾
- 読んだ印象: 2 (1-3)
- 読んだ時期: 2023年10月
殺人を犯した (と思われる) にもかかわらず無罪判決を受けた男に、商店街の人々が力を合わせて天罰を与えようとした事件の真相を、物理学教授の湯川が暴いていく話。
男は、過去に幼児殺害の容疑者となったが、徹底して黙秘をすることによって、証拠不十分で無罪判決を受けた。それから数年後、ある商店街のマドンナ的存在であった若い女性が突然失踪し、その男の母親が住んでいたアパートで焼死体として発見された。男は再び容疑者となるが、同じように徹底した黙秘によって不起訴になり、そればかりか、女性の両親が営む料理店に現れて、両親に対して損害賠償を求める挑発行為に出た。そんなことをしているうちに、商店街の恒例行事である仮装パレードが開催されたのだが、そのパレードのさなかに、男は密室で謎の死を遂げる。状況的に、商店街の人々が計画した殺人であるように思われるのだが、その真相を、ガリレオ教授として名高い湯川教授が暴いていく。
真相が分かったと思ったら、その裏にもう一つ過去の真実が明らかになったりして、話が入り組んでいてついていくのが大変だった。湯川教授はもはや物理学の知識ではなく、純粋な超推理力をもってして、事件を解決している感じだった。