読書感想: メルトダウン
- 著者: 高島哲夫
- 読んだ感じ: 2 (1-3)
- 読んだ時期: 2024年9月
名前からして、原子力発電所の事故とかテロによる危機的な内容かと思ったがそうではない。
カリフォルニアの小さい新聞社で働く日系二世のケンと、ワシントンポストで働くアメリカ人のウォーレンの二人の新聞記者が、それぞれ、核開発に関わった科学者秘密の半生と、謎の自殺を遂げたアメリカ政府高官の真相をそれぞれ追っていたところ、それぞれの事件が一つの話につながっていて、二人で巨大な陰謀を暴く みたいな感じの話。
ケンとウォーレンは、それぞれのニュースの暴露を阻止しようとする謎の組織によって、かなり暴力的に邪魔され、それにも負けずに真相を追求していくのだが、そこに新聞記者の報道魂を垣間見る一方で、いったん徹底的に二人をボコボコに痛めつけておきながら、その後のマークが杜撰であるために二人に自由な行動を結構許している感じがあり、ちょっと違和感があった。
物語のところどころで、ニュース記事の抜粋みたいなのが出てくるのだが、マーク長官の死亡事故について、アメリカ政府は本日未明会見を開きーーー報道官の見解は依然として自殺でありーーー新型ステルス機の閣議決定は来月を控えておりーーー みたいな感じの、内容を飛ばしながら雰囲気だけ伝えてくるスタイルであり、察しの悪い僕には読みづらかった。
ウォーレンの妻のツンデレぶりがちょっと素敵。