読書感想: 葉桜の季節に君を想うということ
- 著者: 歌野晶午
- 読んだ感じ: 2 (1-3)
- 読んだ時期: 2024年10月
自称「なんでもやってやろう屋」の男が、たまたま知り合った女の知人を殺した犯人を探す話。
事件には、蓬莱倶楽部という悪徳団体が関わっていて、怪しい健康アイテムを催眠療法で売りつけて金をむしり取った後、金が取れなくなると保険金をかけて事故に見せかけて殺し、保険金をだまし取るというとんでもない行為をしているのだが、話に出てくるだけでも相当な人間が死んでいて、そんなに好き勝手できるのだろうかとちょっと不思議に思った。
また、話の終盤であるネタバレが生じて、それが小説の肝になっているのだが、殺人事件の真相はそのネタバレと直接的な関係性がなく、事件自体は伏線回収などもなく、主人公が突然ひらめきを発して唐突に解決する といった感じの展開になっていて、若干しっくりこない。
なんでもやってやろう屋を自称するトラは、小説の冒頭を読むとかなりハードボイルドな感じがするのだが、読み進めていくとコケティッシュな一面が出てくる。