読書感想: トーキョー・バビロン
- 著者: 馳星周
- 読んだ感じ: 2 (1-3)
- 読んだ時期: 2024年11月
ヤクザに飼い殺しにされる元経営者の宮前と、ヤクザではあるがフロント企業に飛ばされてくすぶっている稗田と、肝臓を壊してNo.1から転落したキャバ嬢の紀香が、人生をやり直すために悪徳金融会社から金をむしり取ろうと画策する話。
金、権力、地位、名誉、暴力、セックス、ギャンブル、ドラッグなど、人間のあらゆる種類の欲望がこれでもかというほどにプロットの中に練り込まれている。
3人は協力関係にあるように見えて、奪った金を独り占めしようとしてお互いに騙し合っている。そういう状態なので次から次へと問題が起こって、最終的に宮前と稗田と小久保はヤクザに捕まってしまう。女の立場をうまく使ってうまいこと立ち回っていた紀香は、最終的にちょっとした小銭を手に入れたようだが、終盤で唐突に肛門性交を強要されるという憂き目に遭っていた。
騙し騙される混沌が面白いのは面白いのだが、紀香以外ほぼ全員がもうちょっと相手を疑えよとツッコミたくなるくらいに騙されやすかった。そんなんでは裏社会で生きていかれへんのではないやろか、と思った。