- 著者: 桐野夏生
- 読んだ感じ: 2 (1-3)
- 読んだ時期: 2024年12月
還暦前のサラリーマンがいろんなものを失っていく話。
銀行からの出向で、ファストファッションの会社で取締役を勤める薄井は、愛人との逢瀬を楽しみながら本妻との安定した生活を捨てられず、愛人がいるにも関わらず関係に飽きると会長秘書の若い女に誘いをかけたりする、どっちつかずの男なのだが、そんなことを繰り返しているうちに全員から見捨てられて、気づいたらすべてを失っている。そんな人生に絶望するわけでもなく、目の前の新しい欲望に興奮していたりする。男の愚かさがよく分かる話だと思い、身につまされる。