• 著者: 山田詠美
  • 個人的な印象: 2 (1-3)
  • 読んだ時期: 2025年8月

 

2人の子供を家に置き去りにして外出し、子供を餓死させて逮捕された、笹谷蓮音という母親の話。蓮音は少女時代に母親に見捨てられた時期があり (長期間出ていかれて、弟と妹の世話をさせられた)、琴音もまた、両親から虐待を受けたことがある。虐待が連鎖した結果子供が死んでしまったという、とんでもなく悲しい話だが、実話が元になっているらしい。

 

蓮音は音吉という伴侶と一度は家庭を構築したにもかかわらず、ちょっとしたきっかけで昔のツレとの崩れた関係に溺れてしまった。生まれ育った環境から抜け出すことの大変さみたいなものが描かれている。

 

話は蓮音、琴音と蓮音の子供たちという3者の視点で描かれており、子供たち視点の話が大変切ない。